グリーンローンフレームワーク

CSR・ESGへの取り組み

鳥取県の環境課題

鳥取県では、建設発生土の処理方法については従前より埋立処理が主流である。当社の主要営業エリアである鳥取県東部エリアにおいても、その処理施設は公益財団法人鳥取県建設技術センター運営処分場のほか鳥取県が民間企業への業務委託する処分場の計3か所のみであり、将来において受入残土が続く限りいずれ飽和状態となることが予測されるため対応が求められている。
そのような中、鳥取県だけでなく鳥取市をはじめとする自治体は近年の SDGs における具体的な取り組みが迫られており、建設資材のリサイクル化を推進している。当社が新しく残土リサイクル分野に進出することで、早期の収益化の見込みが可能なことはもちろん、地元企業として地域の環境問題の解決に貢献することにつながるため、企業ブランドの向上が大いに期待できる。

当社の環境方針と
環境負荷低減への取り組み

改良土生成を手掛けている同業他社は県内東部エリアにはまだ2社のみ。当社は残土リサイクル事業者としては後発企業となるものの、これまで砕石・砂利等の運送を実施してきたことから、建設現場での残土の引き取り業務の実績、グループ会社の存在の利点を生かし、改良土を生成する事業に新たに取組むことで県のSDGs推進への更なる貢献を目指している。

グリーンローン借入の位置付け

当社は改良土生成処理を通じて持続可能な社会の実現を目指します。
グリーンローン借入により、改良土生成処理事業への資金の充当は、当社の掲げる「持続可能な社会の実現」につながると考えます。

調達資金の使途

当社は以下グリーンローンフレームワークを2024年3月29日付公表いたします。

資金充当予定のグリーンプロジェクト

本借入による調達資金は、以下のプロジェクトに充当される予定です。

設備名
  • 改良土生成処理設備プラント一式
  • 事業用地41,615㎡(造成費含む)
総事業費 320,000千円
発注先/能力 FNT㈱/改良土処理能力 400㎥/日
数量 1式
設置場所 鳥取県鳥取市古海463-11他
環境改善の効果
  • 埋立処理される建設発生土を減量化し最終処分場の延命に寄与。
  • 新材の大量消費による自然体系の破壊や環境負荷の軽減に寄与。
グリーンプロジェクトの概要

建設発生土について従来型の工法では下図①工事現場で出た残土は残土処分場に廃棄し、下図②埋め戻し用の真砂土を採取するために山を削っている。

【従来型】

従来型

当社が取組む循環型工法では下図①工事現場で発生した残土をリサイクルセンターで改良土に処理し下図②工事現場で再利用する。

【グリーンプロジェクト:循環型】

グリーンプロジェクト:循環型

本事業により、改良土の生成が可能な、処理設備一式を導入する。導入設備は建設現場で発生した建設残土を 40mm大に破砕するジョークラッシャー、リサイクル提供可能な基準値である40mm 以下の粒の土を集めるためにふるいにかけるふるい機などにより、高精度の処理加工が可能となる。これにより、改良土の生成処理加工が実現する。
また、新設備導入にあたり、現状では対応していない引き受けから生成までの一貫処理加工が可能なプラント方式による設備が新たに必要となるため、専用のスペースを確保する必要がある。現有の事業所には新設備及び資材、完成品を一時保管する広大なスペースの確保が難しいため、新分野での事業確立へ向け鳥取市古海に41,615㎡の事業用地を確保した。

■残土リサイクルプラント(建設中)

残土リサイクルプラント(建設中)

ネガティブインパクト

プロジェクトがもたらすと想定される環境リスクおよび主な環境保全措置は、以下の通りです。

想定される環境リスク 主な環境保全措置および評価
リサイクル施設の運営における排水による生態系への影響。 沈砂池を整備し浮遊物や個体・泥等を取り除き、浄化後、排水することで環境負荷の軽減に努める。
リサイクル施設の運営における粉塵対策や周辺環境への影響。 ダンプトラックが施設出入りの際、ウォータープール洗浄設備を整備し、タイヤまわりの洗浄に努める事で、公道への土砂拡散、粉塵、砂埃の抑制に努める。
資金充当の予定

本物件は2024年4月に稼働開始予定です。総事業費320百万円のうち、60百万円は経済産業省補助金にて賄われ、60百万円は日本政策金融公庫の資本性ローンにて賄われています。残額200百万円を本ローンで調達しますが、内、150百万円は当初は短期借入にて賄われております。ゆえに、本ローンの調達資金200百万円の内、150百万円は上記の短期借入資金150百万円のリファイナンスに充当される予定です。グリーンローンの期間は2024年3月末から2039年3月末の15年間を予定しています。

プロジェクトの評価
および選定のプロセス

環境面での目標

本借入の調達資金を充当するプロジェクトにより達成される「環境面での目標」(グリーンローンを通じて実現しようとする環境上のメリット)と関連する環境改善効果は、以下の通りとなります。

環境面での目標 汚染の防止および管理
環境改善効果
  • 埋立処理される建設発生土を減量化し最終処分場の延命に寄与
  • 改良土を利用することにより、新材である山砂・山土の購入が減少し、新たな土砂採掘の開発などが減少し自然環境破壊の防止に寄与。
    例) 採取区域(隣地開発区域) 面積14,030m2
    採取土(真砂土) 体積41,856m3
    よって100m3の改良土を利用することにより林地を33.5m2の保存が見込まれる。
プロジェクトの評価・選定のプロセス

本プロジェクトの選定にあたって考慮・評価された基準は、鳥取県県土整備部公共工事建設副産物活用実施要領である。建設工事に伴って副次的に発生する建設副産物についてはその発生の抑制、再使用、再資源化を行い、資源の有効活用に努めなければならないと掲げている。「建設副産物の再資源化」を実現するものとしてプロジェクトの選定にあたってはこれら基準に加え、仁徳砂利の会長・社長が全面関与し決裁した。プロジェクトの評価・選定は妥当な内部プロセスを経ている。

調達資金の管理方針

調達資金の管理方法

本借入による調達資金の充当管理は経理部が行います。本借入による調達資金総額、プロジェクトへの充当済資金、未充当資金は、電子ファイルにて管理します。
全ての調達資金が充当されるまでの間は、未充当額と充当額の合計が調達資金全額と整合するように管理し、これらの確認は経理部から対象プロジェクトへの資金充当があった都度実施します。全ての調達資金が充当された後は、調達資金額が調達資金からプロジェクトへ充当された累計額と一致するよう、または、当社からプロジェクトへ充当された累計額が調達資金額を上回るように管理することとします。

未充当資金の運用方法

未充当金額については、発生する予定がありませんが、仮に発生した場合には、現金または現金同等物、短期金融資産等で運用します。

文書管理の方法

調達資金に関連する証憑となる文書等については、残土リサイクルセンター運営規定に基づき適切に管理します。

レポーティング方針

レポート方法

当社は、本借入による調達資金のプロジェクトに対する充当状況や環境改善効果等についての最新の情報を、以下のスケジュールで自社WEBサイトに開示します。また、本借入による全ての調達資金がプロジェクトに充当された後においても、大きな状況の変化が生じた場合は、適宜開示します。
①借入時レポート:本借入が借入された直後に実施します。
②年度レポート:本借入の償還までの間、1年に1度実施します。

開示内容

レポートは下記内容を記載し適切に開示します。

【開示内容】

  • 建設発生残土の処理量の実績値(㎥/年)
  • 改良土の生産量実績値(㎡/年)
  • 各グリーンプロジェクトの概要(進捗状況を含む)
  • 各グリーンプロジェクトに充当した資金の額
  • 各グリーンプロジェクトがもたらすことが期待される環境改善効果
  • 未充当資金の額又は割合、充当予定時期
  • 調達資金のうちリファイナンスに充当された部分の概算額(又は割合)
レポーティング体制

借入時レポートおよび年度レポートは、仁徳砂利の経理部が主管として作成することとし、調達資金に関する情報収集・記載事項の確認、環境改善効果に関する情報収集・記載事項の確認を実施します。

外部レビュー方針

当社は、本借入時に、本グリーンローンフレームワークがローン・マーケット協会(LMA)「グリーンローン原則2023」および環境省「グリーンローンおよびサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版」に定められた要件と適合性を有しているかという観点から、第三者評価機関である株式会社格付投資情報センターより、セカンド・パーティーオピニオンを取得しております。

TOP